4日目終了時です。
まだまだドラスティックな変化はありませんが、だいぶ感じが出て来ました。
魔王様の「服」は左側(向かって右)上はほぼ完成です。
全体にブルーにすることを決めてあったのですが、差し色で使ったのがこの赤です。珍しいことにほぼ、チューブから出したままで塗っています。クサカベのカドミウムレッドです。
この絵の黒部分が、例の廃番になっちゃったブルーブラックですね。
シェードがブルーになるので、この絵には必須の色なのですが、残分が少ないから足しておこうと思ったら「廃番」…。そんなところまでゴルゴなのか、と、自分が恨めしくなりました。
灰紫(赤っぽい色、右袖と裾部分に使ってあります)は、ウィンザー&ニュートンのペイネスグレーにコバルトブルーディープを足したものに、ホルベインのローズバイオレットを混色したものです。
青っぽい紫は、ウィンザー&ニュートンのウルトラマリンバイオレットにセルリアンブルーを足し、更にチャコールグレーを足しました。
ウルトラマリン系とマダー系は、混色してもしなくても塗りムラが出来るのですが、塗りムラはデジタルでは出せない味なので、これはこれでまあいいか、塗りムラもニュアンスのうちでしょう…ということで、全く気にしないで塗っちゃってます。
原画で観ると、えらいこと塗りムラがあるのがわかります(笑)
チャコールグレーは何のかんの言って、わたしの絵には必須の色です。
エッジのラインを取ったり、ニュアンスのある暗部を作るのによく使います。
「ニュアンスのある暗部」とは、黒を使わずに暗部、または黒のバリエーション(「光の中にある黒」など)を表現することで、この絵で言うと、魔王様の「服」の右側(向かって左側)下の裾部分、ここはブルーブラックではなく、チャコールグレーから紫へのぼかしです。
ここの部分に黒を使っていないことは、他の部分に黒が入るとハッキリわかります。
腰のあたりの、キトリのお尻の下、ここがブルーブラックですね。最暗部なので黒を使っています。最終的に、キトリの影を表現するために、その上からチャコールグレーを重ねました。仕上がり分で確認して頂くと、ベルトの金具が影でつぶれているのをおわかり頂けます。
キトリの方はこの日、まつげを白で抜いたんじゃないかと思います。
そこ以外にはいじっていない……ハズ。
ほんじゃ、また明日。
■かつて同じ街に住んでいた友人が、「アメリカに来たばかりの頃の思い出の味」として、「チキン・ブーナ」なるものを食べていたと教えてくれた。
何でもそのインド料理屋のメニューにはなかったものの、何度も通って「顔」になったかれに、お店はいやな顔ひとつせずオーダーに応えてくれたのだという。
とにかく、とても美味なので一度は食べておくべき…とまで言われた。
そう言われては、現在も同じ街に住む者としては退くわけにはいかない。
早速、その話を聞いてからググって調べてみたのだが、どうも何だか要領を得ない結果しか出ない。友人によると、見た目はカレーっぽい感じ…ということなので、何かものすごく特別なインド料理、というわけでもないようだった。
にもかかわらず、わたしが通っていたインド料理屋にも、同じ名前のものは見つけられなかったので、わたしにとっても「チキン・ブーナ」は幻の食べ物になっていた。
月日が経って先週、何と「チキン・ブーナ」の話を聞いてから2年後、わたしはそれがどんな料理であるかをとうとう知った。
カリフォルニアから帰って翌日すぐ、わたしは医療検査のために病院へ行った。
その帰り、わたしが疲れているだろうと気を利かせた旦那が、珍しく外食しようと言い出したのだ。実際、わたしもやや疲れていたので、その提案には大賛成だった。
わたしたちは半端なものを外食するのが大嫌いなので、安かろうが高かろうが、ウマいと思うものしか食べたくない。二人ともが移動疲れのその日は、疲労に効く辛いものを食べよう…ということでカレー屋を選んだ。
この店でのわたしのお気に入りは「チキン&マッシュルーム」のカリーだったのだが、実は自分で作れるようになってしまったので、その日は後学のためにも、ちょっと冒険しようと思った。
そこで、メニューとにらめっこして目的のものを選んでおいたのだが、注文直前に再度メニューを見た時に(エスニック系は発音が面倒なことがあるので、指さしで注文するのが一番無難だから)、ふと「Bhuna」という文字を見つけたので、土壇場で変更した。
ラム肉のブーナ、ラム・ブーナにした(わたしはラム肉が大好き)。
出てきたものは、カリーやマサラに比べるとずいぶんともったりした感じの、汁気のないカレーだった。ややソースの多い炒め物といった感じで、ソースと具の割合は、中華のエビチリなんかのニュアンスに近い。具は1センチ角くらいに切ってある緑のピーマンと、粗みじんのタマネギにざく切りトマト、そしてラム肉。
これがうまかった。ホントにうまかった。
友人が食べたものと同じジャンルのもの(=肉の種類の違いだけ)かどうかはわからないが、これはとっても美味しかった。
「Bhuna(ヒンドゥーネイティブのおっちゃんの発音では『ブナ』)」は肉に対する調理法の一つで、カレーソースによる炒め煮のことだったのだ。
いやーー、2年越しの謎が解けた(笑)
大抵は牛肉やラム肉に対しての調理となるようで、チキンというのは珍しいらしい(この店のメニューにもない)。
つまり、チキンでブーナを作ってくれ、は確かに「特別メニュー」だったのだ。
この料理に一緒に入る具は、ピーマンとタマネギのチョップにざく切りトマトで、全体にスパイスがしっかりきいた感じになる。このため、肉にクセがある方が調理法が生きる=チキンだと少々、心許ないからかも知れない。
今回はまた、その店がちょっとしたリニューアルをしていたことを知っていたので、以前と味が同じかどうか確かめる、という目的もあったのだが…これが大正解。以前と比べ、格段に味が良くなった。
アチャールの発酵具合もいいし、グリーンソースの調合と味もすごくいい。以前は単なるピュレのようなソースだったのだが、少しだけ具材のニュアンスを残してあって、これがターメリックライスに絡むとすごく美味しい。ターメリックライスそのものも以前より黄色い、つまりライスに使う香辛料をけちってないのだ。
その代わり、以前は入れていた、グリーンカルダモンとフェンネルシードを入れるのをやめたらしい。が、お供によってはカルダモンが邪魔になることがあるので、なくても特に物足りなさはない。
ランチの値段が1ドル上がっていたけども、これだけ美味しかったら1ドルくらい、ちっとも惜しくない。
ああ、近々また「ラム・ブーナ」を食べに行ってしまいそうな気がする…。
美味しいものを教えてもらってよかった。
ちなみに、わたしが食べたのと同内容の「ブーナ」は、「Bhuna Gosht(ブーナ・ゴシュト、ゴシュトとは肉のこと)」、「Balti ***(バルティ・***、***は肉の名前)」 なんて名前で出てたりもするらしい。
元々はあまり辛くない料理らしいので、お好みでちょっと辛くして貰うもよし。わたしはレギュラーよりも一段階、辛くして貰った。
ああ、うまかった。ありがとう、西のネ申(笑)

