その昔…トレントがまだ泥犬になってウッドストックで吠えていた頃…日本にはスニーカーブームというものがあったりしました。
今もマニアはおられるでしょうが、ブーム、とまで行ったのはあの頃だったんじゃないかと。
その辺の歴史は詳しくないので間違ってたらゴメンなさい。
適当に、「アホ!」とか何とか、突っ込んでおいてやってください。
スニーカーのメインストリームというのは時折で変わっているようですが、その頃にメインだったのは、いわゆるハイテクスニーカーなどと呼ばれる、新素材や新機能を搭載した、奇抜なデザインのものでした。
そしてその当時のわたしがめっちゃめちゃにホレ込み、数年に渡る「履き道楽」の栄華を極めるに至った逸品、それがReebokのインスタ・ポンプ・フューリーでした。
お嬢(ビョーク)が愛用していたことでも知られるこのオリジナルモデルは、わたしがその魅力に気がついたときには既に販売が終了しており、レア中のレアものと化しておりました。
が。
その魅力にどうしても抗えず、何が何でも手に入れたかったわたしは、当時まだ黎明期だったオクを利用して壮絶なバトルを闘い抜き、ついに栄えある落札者となりました。
その金額はもう、とんでもなさすぎて口に出来ません。
どうひいき目に考えても基地外沙汰です。
どのくらいかの目安としてお話しすると、あまりの金額に対し、たまたま首都圏にお住まいだった出品者が、わざわざわたしの当時の勤務先があった街・新宿まで届けに来てくださったくらいです。
出品者の方も、よもやそんな金額になるとは思っていなかったのだそうで。
そして、その人はお金を受け取る前に、「こんな金額を貰うのだから」と、自分の目の前で検品させてくれました。何ていい人でしょうか。
マジでフェラガモの一足よりしましたが、パンプスを履かない「かぶいた職業」であり続けるわたしには、イカすスニーカーは、お姉さん方のフェラガモ(もちろんプロパー)のようなものです。
闘いに赴く騎士の、甲冑の一部と言えましょう。
その基本は「派手であればあるほどよし」。
まるで前田慶次が攻臨したかのような選択基準により、わたしの「履き道楽」は極まっていきました。
当然、単に白かったり黒かったりのスニーカーはわたしにとっては御法度です。
「何それ、どこの靴? どこで買ったの?」
…という質問こそ、わたしにとっては一番の賛辞なのです。
無論、Reebokだけではなく、Nikeのハイテクものにも手を出し、特にプレストとクキニにはとっても凝りました。今も大切に保管してあります。
今は当時ほどではないのですが、渡米後も日本限定版をわざわざ個人輸入して買い求めるなど、知らないひとが聞いたら、まるで奇行のような購買を続けています。
あれから幾星霜、世間のメインストリームがベーシックなデザインのものに移行しても、わたしのハイテクを求める心は今も止みません。
そんなわたしの心に、常に燦然と輝く靴…。
それはやっぱりインスタ・ポンプ・フューリーのファーストです。
後日、復刻版が出ましたが、わたしが言っているのはオリジナルのことです(復刻版も、もちろん持ってます)。
あの蛍光黄色のボディ、そこにリフレクターと引き締め色の赤&黒。ナイロン素材の持つきらめきと、あのゲタソール。何もかもが懐かしい、もとい、何もかもが美しい。
以降のデザイン(フューリーの各バージョン)であれに勝てるモノは一足たりともありません。断言します。
まあ、デザイナーの気持ちを刺激しちゃう靴ではあるんで、色んなバージョンが存在しますよね。でも、やっぱりオリジナルが一番、綺麗です。
わたしがオリジナルをどのくらい愛してるかって、そりゃあもう。
愛し過ぎるあまり、一度も履いて外に出たことがないくらいですよ。
家の中で履いて、うっとりしたことはあります。
今までにわたしが入手し損ね、未だ悲しい思いをしているのは、グラマラスというシリーズで、左右の色が違うヤツです。
どうしてそんなことになったかというと、これとオリエンタルが同時に出てしまったからです。二者択一を迫られたわたしは、より色合いが派手なオリエンタルを優先したのでした…。
日本から輸入する都合上、予算的に同時に両方は無理だったのです…(一足4万超えになりますので)。で、都合がついた時には既にソールドアウトだったわけですね…。
ああ、惜しいことをした…。
そして先日、「巨娘」を読んでいて、トオルの履いている靴がフューリーだということにナチュラルに気づいてしまいまして、実はフューリーが埒外さん御用達だということを知りました…。
そんな「巨娘」を、画伯は心から応援しています。
わたしも気合いを入れるときは、フューリーをキメてかぶくことにします。

