2日目
まずはモントリオールのマルシェを訪ねた。
パリから職人さんが修行に来るようなパン屋さんで朝ごはんを食べ、諸々の店を冷やかす。
とは言え、わたしにとってはこれは取材でもあるので、食材の並べ方や売り方などを観察する。
昨日食べた鴨のコンフィが非常に美味しかったので、真空パック詰めになっているものを買って帰ろうと思っていたのだが、結局、狂牛病騒ぎで非常に厳しくなってしまった国境越えが難しいため、諦めた。
狂牛病騒ぎの前は、ある程度の条件の下で食肉系が持ち込めたのだが、現在は個人レベルでは、いかなる食肉または食肉加工品も持ち込むことは出来ない。
カナダと言えば…のスモークサーモンも、デューティフリーで売っていない=持ち込めなくなっていた。
ただし、わたしは今回、ペットフード(チキン、またはシーフード)の持ち込みは出来たので、ペットフードは問題ないようだ。
話を戻すと、このマルシェは普通の人が買い物に来るところで、特に観光客向けではない。
なので、生活に根付いたお店ばかりが並んでおり、わたしとしては非常に楽しかった。
元々、旅先でスーパーマーケットを覗いたりして、旅先の土地の生活をチラ見するのが好きだからだ。
ホテルに戻って荷物を受け取り、今度はケベック・シティへ向かう。
カナダのハイウェイにおけるサービスエリアには、いわゆる飲食店は入っていない。
冷蔵車と一緒に「出勤」してくるらしい人がやっている、小さなスナックスタンドがあるだけだ。この「冷蔵車つきスナックスタンド」はどこでも見かけたので、定番と考えていいんだろう。
また、サービスエリアのトイレにはペーパータオルはなく、ホテルの部屋にはリサイクルボックスがあり、トイレットペーパーは100%再生紙。
アメリカに比べると、ずいぶんとエコに対する対応が進んでいるようだった。
ケベック・シティへは、国境を越えた時と同様、トウモロコシ畑に囲まれた真っ直ぐな道を行く。
2時間ほどしてトウモロコシ畑が民家になり、街になり、そして、城門をくぐると、そこがケベック・シティの旧市街。
フロンテナック城を中心にした城塞都市だった旧市街は、すごく簡単に説明すると、ミナス・ティリスだ。ミナス・アノールがフロンテナック城にあたる。シタデルもちゃんとある。
思いの外、アップダウンが激しい旧市街は、まさにミナス・ティリスの城塞都市そのもの。城郭の外には、城下町もある。
現在のフロンテナック城の上には、ホテルが建っている。
このホテルを増築する際、本物の城塞の跡地が出てきたため、現在、コレを期間限定で公開している(いずれは工事で潰されてしまうらしい)。
世界はパラレルだが、わたしのキャラが存在している時代のものになる1600年代の本物の城塞跡は、非常に面白かった。
この日は午後遅めから夜にかけて、城や教会の写真を撮りまくり、城郭内どころか城下町まで歩き倒した。
旅行期間中は満月の時期で、満月に映える城は、とても絵になる。
実は、この期間はちるの新盆だったのだが、どうやらちるは一緒に来ていたらしく、あちこちで姿を見せてくれていた。
この日は城ホテルのバーでシャンパンを楽しんだ後、中世の料理をそのまま出してくれるというレストランで食事することに。
メディバル萌えには大変に意味合いのある食事だったので、感動もひとしお。
まあ、食材は今の方がずっと豊かだし、「現代でお金を取る料理」に仕立ててある都合上、当時の本物より豪華なのは否めないのだが、それでも、とにかく食べたり飲んだりが大好きなわたしのキャラの内面をふくらませるためには、とても役に立つ。
ワインも地元産のものを頼んだのだが、これが妙にマッチして面白かった。
いわゆる、テロワールがうんたらいう理屈なんだろうけど、一言で言うと「地産地消」、つまりはマクロビのココロだ。
そんなわけで、数百枚の写真を撮って、この日は終了。


コメント
そちらこそ、夏祭りお疲れっス!!
中世の食事を具体的に言うと、こんな感じ。
ひとつは名物料理の盛り合わせ、もうひとつはケベックの名を冠した煮込みを頼んでみた。
盛り合わせは、塩豚の皮部分を揚げたもの、ミートボール、ベリーと桃の軽い煮込みソース、そしてベイクドビーンズ。
「塩豚」は、今でもこっちのスーパーでは売ってるんだけど、皮付き豚バラの塊で作る、保存食です。本当に、しょっぱい(笑)なので、皮の部分を揚げたヤツも、めっちゃしょっぱい。
ミートボールはたぶん、豚肉です。ハーブの使い方が独特で(臭み消しにセージ系が入ってると思う)、特徴のある香りがします。味付けは軽く塩味だけで、グレービーがかかってます。
ベリーと桃のソースは、小さく切った素材を、軽く煮込んであるモノ。ちょっと甘みがついてますが、ほとんどは果物の甘みです。
そして、アメリカでも古い移民が居た街では名物となっている(ボストンがそう)、ベイクドビーンズ。これは「塩味のあんこ」です。小豆よりは大きく、インゲン豆よりは小さな、茶色い皮の豆で作ります。煮くずれ具合とかもホントにあんこソックリ(笑)
これらは塩豚の皮の塩味を中心に食べる「ひと皿盛り(カフェ風に言えばワンプレート(笑))」で、日本のごはんのように「しょっぱいおかずを薄味のおかずと一緒に食べる」という構造です。
煮込みの方は、皮を外した塩豚と、これまた塩蔵してある牛肉(ケベックにはちょっと変わった品種の牛が居ます)を煮込んだスープを素に、ミートボールを追加し、野菜を加えてシチューっぽくしたもの。
塩蔵肉から塩味が出るので、これもバッチリしょっぱいです。
野菜はジャガイモ、タマネギ、にんじん、キャベツ、セロリ、インゲン、スクワッシュ…などですが、実際はキャベツとジャガイモ、タマネギ、あってにんじんくらいだったのではと想像。キャベツはクタクタに煮込まれていて、好みでした。
野菜には味がついておらず、火を通す際にしょっぱいスープで煮られることでついた下味だけです。
これも前述の料理と同じ、塩蔵肉のしょっぱさで食べるわけですね。ミートボールも同様です。
中世の生活本を読む限り、塩蔵肉大活躍なのは知ってたんですが、ここまでしょっぱいとは。
まあ、昔は食事でくらいしか塩分が摂れなかったでしょうから、これはとっても高級なお味にあたるんだと思います。
ここまでやるんなら、ぜひ、蜂蜜酒を用意しておいてもらいたいものですが、あのしょっぱさに蜂蜜酒の甘さは、破壊的かも知れない(笑)
食後に果物系の軽いリキュールがサービスされます。店はコンセプトを活かすためか、かなり暗かった。
どうせ暗くするなら蝋燭使えばいいのに…とまあ、そこんところがちょっとヌケてますが、楽しかったです。
今回の取材が役に立つよう、ちょっとネタを考えてみまーす。次にかもすのは、チビちゃんと決まっておりますが。
何はともあれ、そちらも夏祭りお疲れさまでした。
Posted by: ブリスさん | August 20, 2008 11:31 AM
取材旅行、お疲れ様ッス。
中世の食事ですか....ぬおおウラヤマシス。
やっぱヴィジュアル的に、描く事を意識した実体験と資料は必須すぎますね。
画伯たんの今後の絵に一層深みが加わったのを拝見するのを楽しみにしてます!
先日の、落ちた人(というか天上人、ですよね)の絵の方もまたコメントすると思いますが、とりあえず。
Posted by: wacca | August 18, 2008 1:19 PM